Q & A

下記はBlood Lions オフィシャルウェブサイトのFAQSページを下敷きとして掲載しています。

映画内容と関連するテーマについてその他のご質問がある方は、お問合せフォームよりご質問をお送り下さい。

回答できるものについては随時こちらのページにも加筆させて頂きます。

 

 

缶詰狩り(キャンド・ハンティング)

 

 

「缶詰狩り」とは何ですか?

 

飼育下に置かれた動物や人間に飼いならされた動物を、動物の動きが制限された狭い場所で撃つことです。

1998年にテレビ放映されたイギリスの時事番組「クック・レポート」で、狭い場所で雌ライオンを繰り返し射撃する映像が放映されたことを機に、「缶詰狩り」(キャンド・ハンティング)という言葉が一般的に使われるようになりました。今日、南アフリカでは缶詰狩りが広く行われ、射殺するために飼育された野生動物が大量に生み出されています(*2021年5月に南アフリカ政府はこの事業の廃止を目指すという声明を発表しました。しかし、実行までの道のりはまだ長いと言われています)。

 

「フェアチェイス・ハンティング」との違いについて

 

「フェアチェイス・ハンティング」は伝統的なトロフィーハンティングの一種です。プロのハンターやその顧客が広い原野に入り、自由に逃げることのできる野生動物の狩りをすることを指します。この狩猟は獲物を仕留めるまでに最大3週間を要する一方、缶詰狩りは48時間以内には終了します。「フェアチェイス・ハンティング」を行う従来のハンターの多くは、飼育動物を標的にする缶詰狩りを非倫理的あるいは非スポーツマンシップ的と見做しています。

 

缶詰狩りで殺されるライオンの数について

 

報告システムに抜け穴があることやデータの読み方が様々であるといった杜撰な状況から、正確な統計を取ることは困難です。

主な情報源は、南アフリカ肉食獣協会、ワシントン条約(CITES)、そして様々な政府機関や州政府機関です。これらの統計によると、映画『ブラッド・ライオンズ』公開時、南アフリカでは年間800頭から1,000頭のライオンが射殺されていたことが明らかになっています。そのうちの50%強が米国から来たハンターでした。映画製作チームが展開してきたキャンペーンの効果により、この数字は減少していると思われます。しかし繁殖業者や缶詰狩りのハンターは新しい市場にも目を向け始めており、その市場とは中国、ロシア、旧ソビエト時代の国々などです。

 

南アフリカ以外でも「缶詰狩り」は行われていますか?

 

公式にはありませんが、南アフリカの隣国の幾つかで特定の事例があるようです。しかし米国の幾つかの州、特にテキサス州では大きなビジネスとなっており、そこには缶詰ハンターの標的にするための外来種を提供している農場が数多く存在します。

 

 

 

プレデター(肉食動物)繁殖

 

 

南アフリカにおける肉食動物の飼育数について

 

政府と民間の情報筋によると、200以上の農場と飼育施設があり、6000から8000頭の肉食獣が飼育されていると考えられています。この数字は1万を超えるという説もあります。この内の大部分、恐らく7000頭はライオンであり、その他にチーター、ヒョウ、トラ、ジャガー、ピューマなどの外来動物が含まれています。

 

 

南アフリカの農場で肉食動物を飼育することは合法ですか?

 

各州の法律における柵や囲いの大きさについての最低基準を遵守している限り、ライオン等の肉食動物を飼育することは合法です。

 

 

南アフリカで肉食動物を飼育するためには、どのような資格が必要ですか?

 

南アフリカで肉食動物を飼育するために必要な要件は何もありません。生物学、動物飼育学、ライオンの生態学、一般的な保護に関する知識も必要とされていません。政府が缶詰狩りやライオンの骨取引などを持続可能な収入源と見做す限り、肉食動物の体の部位を販売取引することも合法です。

 

なぜ南アフリカではプレデター繁殖と缶詰狩りが盛んになったのでしょうか?

 

主たる理由は、政府、州当局、従来の狩猟団体や観光業界、自然保護団体など、あらゆる利害関係者が見て見ぬふりをしてきたためです。その結果、これらの産業は大きく成長しました。野生動物を農場で飼育することは、各省庁の統括の狭間に位置する活動のため、法律が効果的に適用されなかったことも理由の一つです。このため、各省庁、環境庁と農林水産省は、最終的な責任を取ることを回避しているように見受けられます。

 

 

自然保護

 

飼育繁殖させたライオンに保護価値はありますか?

 

 一般的にはありません。南アフリカでライオンを飼育している施設のうち、ライオンの保護に携わっているところはほとんどなく、野生に戻せるものもありません。このような施設の飼育ライオンは人間に刷り込みをされ、飼い慣らされ、遺伝的に汚染されているためです。もしライオンの生態学者や保護活動家が新しい個体群を作るためにライオンを必要とする場合には、野生のライオンのみを扱うことでしょう。

 

研究のためにライオンを飼育繁殖させるメリットはありますか?

 

一般的に、研究者が野生のライオンを使用することはできません。同時に、病気の分析や遺伝子の研究など、特定のプロジェクトのために研究者が飼育下のライオンを使用する例はごくわずかです(映画製作中、製作チームが知った研究目的の事例は約20頭の飼育ライオンを使用した1事例のみでした)。このような場合、必要とされるライオンの数は、飼育されているライオンの総数のごく一部に過ぎません。このような研究プロジェクトでは、利便性から飼育下のライオンを使用することにしています。

 

Photo © Ian Michler