ライオンズ・テイル

 

【OUR VISION】

 

ライオンも人も、共に生命力を謳歌する世界の創造 

 

このヴィジョンを軸に、私たちはアフリカ大陸のライオンを取り巻く問題を通して、人と野生のあり方を展望します。

 

 

ライオンは、人間の光と闇を浮かび上がらせる

 

<ライオンズ・テイル>の活動は、アフリカの野生ライオンたちの現在と、そこにあるまるで光と闇を感じさせるような状況に意識を向けます。なぜ、ライオンなのでしょうか? ライオンという動物は、古代からあらゆる文化圏で愛され、神格化され、人に憧れや畏敬を抱かせる一方、恐怖の対象でありーゆえに人間の支配欲の対象ともなる肉食獣でした。そこに否応なく生じた人間の投影が何であれ、ライオンと人間の関わりを見つめるとそこにはくっきりとした光と闇のコントラストが浮かび上がるようです。

 

私たちはまず出発点として、南アフリカ発の『ブラッド・ライオンズ』というドキュメンタリー映画に光を当てます。そしてこの映画を通して、現代のライオンを取り巻く最も暗い闇を知ることから始めます。アフリカで多様な今を生きるライオンたちの生に目を凝らし、私たちもそこに、大地に根差した地上の光を生み出していくことを目指します。

 

【OUR MISSION】

 

1) 南アフリカの缶詰狩りを止める

南アフリカの「缶詰狩り」は、野生動物に対して行われている現代の人間の行為の中で、最も残酷なものの一つとも言えるかもしれません。私たちはまず、そこにある特殊な状況を冷静に俯瞰し理解を深めます。そして利害や価値観の違いを超えて、人間が缶詰狩りのような行為を止めるためにできることは何かを真摯に考え、根本的な変化のために行動します。

 

2) ライオンの生息地の拡大

様々な理由で人間によって檻に入れられた動物たちがいる一方、自然界に生きる野生動物たちが直面しているのは、急激な生息地の減少です。私たちはアフリカの野生動物が檻の中ではなく、自然界でのびのびとその生を謳歌できることを願い、そのために必要なことを共に考えます。アフリカ大陸においてライオンの生息地が回復することは、壊れつつある地球の生態系のバランスを取り戻すことそのものを意味します。

 

3) ライオンのように

上記の取組みと同時に私たちが目指すのは、人間が野生ライオンのように本来もつ内なる生命力と野生的叡智を育み、活かし、輝かせながら目の前の毎日を生きるということです。私たちが人間以外の生物や地球環境のために何かをしたいと思う時、それと背中合わせにはこんな気づきがあるかもしれません。あまりに現代の生活や社会システムが、動物である人間が生まれながらにもっていたはずの感覚を麻痺させてしまったこと。自分もいつの間にか大切な感覚を失ってしまった人間の一員であること。地球とも、他の生物とも、自分自身とすら分離しているような痛み。ただ「感じない」という心の声。

私たちは、たとえ人が他の生命への想像力や命の尊さを感じることができないという気づきに出会う時も、そのような感覚を否定や排除しません。むしろそのような気づきを受け入れ、人の奥深くにある痛みを癒すことの必要を認めます。そしてその先に、人間の願いと役割、より生命力豊かに生きられる世界の創造を展望していきます。

 

  

Photo © Dawie Jacobs